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スタートアップカフェ

2021年04月13日

ODDO coffee 小倉翔太さん – 長野スタートアップカフェvol.2イベントレポート1/4

起業・創業を身近に感じてもらうためにスタートした「長野スタートアップカフェ」。自身の生き方や働き方の選択肢の1つとして、起業・創業を考える機会を提供してきました。

2021年1月には、長野県立大学とのコラボ公開講座としてオンラインイベントを開催。

『どうして学生のうちに起業したの?〜長野で起業した大学生たちのぶっちゃけ座談会〜』と題し、起業をした現役大学生3名をゲストに迎え、事業やキャリア、そして地域や社会とどのように向き合っているのか、話を聞きました。

2018年4月に開学した長野県立大学では、自主的にプロジェクトを立ち上げたり起業をする学生が増えています。彼らは、なぜ起業という選択肢を選んだのでしょうか。県内外から約50名が視聴したイベントの模様を、全4回でお伝えします。

最初にお話いただいたのは、ODDO coffeeの小倉翔太さん。高校生の頃からコーヒーに強い興味を持ち、大学進学後もコーヒーショップでアルバイトをしていたそうですが、なぜ学生のうちに起業したのでしょうか。

小倉 翔太(おぐら しょうた)

静岡県掛川市出身。長野県立大学グローバルマネジメント学部グローバルマネジメント学科起業家コース所属・高校3年のころにコーヒーに興味を持つと、大学入学を機にカフェでアルバイトを始め、コーヒーについての知識や感覚を学ぶ。大学3年になり自分でコーヒーの焙煎・販売を行いたいと思い、ODDO coffeeを立ち上げる。2021年春には長野駅前にチャレンジショップをオープン。

好きなことを仕事にして感じた葛藤

僕がやっているODDO coffeeですが、簡単に言うとスペシャルティコーヒーの自家焙煎やコーヒー豆の販売、イベントでの出店を3人のメンバーとともに行っています。

僕たちが扱っているスペシャルティコーヒーは、一般的なコーヒーに対する「苦味のある大人の飲み物」というイメージとは少し違って、例えばベリーやレモンといった様々なフレーバーを持った高品質のコーヒーのことを指します。生産国や品種、焙煎度合いなどによって生まれる味の多様性を楽しんでもらっています。

昔からコーヒーを淹れている姿に憧れがあって。高校3年生のときに雑貨屋さんで売っていたコーヒーの器具を買ってみたのが始まりです。それから、実家の近くにあった自家焙煎をしているロースターへ頻繁に通うようになりました。そこで働いている方々の自然体な佇まいや空気感に魅力を感じて、自分の好きなこと、コーヒーを仕事にすることに関心を持ち始めました。

大学進学と同時に長野駅前のコーヒーチェーンでアルバイトをしたのち、もっとコーヒーを専門的に学びたいという思いから、スペシャルティコーヒーを扱う丸山珈琲で働き始めました。様々なコーヒーを飲むことで知識や理解がすごく深まったのですが、仕事である以上はできることが限られていたり、自分でコーヒーを淹れる機会が減っていったりと、純粋にコーヒーを楽しむことから遠ざかっていることに気付きました。

もっとコーヒーを自由に楽しむために

そんな頃、大学の授業を通じて起業であったり幸せについて考える時間が多くなっていて、自分自身が幸せになるためには「自分の好きなことに一生懸命になる」ことが必要なんじゃないかと思うようになりました。その後、2020年4月に大学内にコーヒーサークル「ODDO」を立ち上げます。

しかし、すぐに新型コロナウイルスの影響でサークル活動を自粛しなくてはいけなくなりました。そこで、自分でコーヒー豆の販売を始めてしまおうと思い立ち、焙煎機を買って6月にはインターネット販売をスタートしました。8月には長野市の権堂アーケードで開催されているイベントで初出店、10月からは長野市内の飲食店の空き時間を活用してコーヒーの販売をしてきました。11月には個人事業主として開業届を提出して、2021年春にはチャレンジショップという形式で長野駅近くに常設出店する予定です。

イベント後の2021年2月末より長野駅前にある物件の一角にプレオープン。若者と地域の方々の交流の場にもなっています

「好き」に向かって小さな挑戦を積み重ねる

この1年間を振り返ってみての感想になりますが、自分が起業に至ったのはすごく自然な流れだったと思います。僕にとっては最初のアルバイト先も自分自身が好きなことをやるために選んだ道なので、いろんな体験をしていくなかで見つけた最適な楽しみ方が、自分でコーヒーを販売するっていうことだったのかなあと。コーヒー屋さんでアルバイトをはじめたことにしても、自分の好きなことに向かって真っ直ぐにやり始めれば、良くも悪くも少しずつ前に進めるということをとても実感しました。

法人化することも考えはしたのですが、本格的に起業することよりも、まずは小さくてもいいから自分の好きなことで稼いでいこうという気持ちでした。今後の活動次第では法人化していくかもしれません。
それから、仲間がいることはすごく支えになっています。飽き性なところがあるのですが、起業をすると自分がやりたいこと以外にもやらなくてはいけない作業がいくつもあって、それを一人でやっていたら続いていなかっただろうと思います。一方で、メンバーそれぞれ熱量や関心に違いがあるので、全員が最大限に力を発揮できているのか不安もありますね。

これからチャレンジしていきたいこととして、まずはスペシャルティコーヒー自体を広めていきたいです。様々なフレーバーや味わいを持っているコーヒーではあるのですが、見た目自体はどれも変わりないので、もっと五感を使って体験できたり、コーヒーに抵抗がある人にも魅力を伝えていきたいです。
機械が淹れても美味しくコーヒーが飲める時代で僕が一杯一杯淹れている意味であったり、人が介入してコーヒーを販売することで生み出される価値ってなんだろうと考えているのですが、それを探しながら春からのチャレンジショップに挑戦していきたいです。

キキ 九里美綺さん – 長野スタートアップカフェvol.2イベントレポート2/4