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スタートアップカフェ

2021年06月28日

【イベントレポート】STARTUP CAFE vol.04 起業のWHY 2/2

起業・創業を身近に感じることができる場としてスタートした「長野スタートアップカフェ」。自身の生き方や働き方の選択肢の1つとして、起業・創業を考える機会を提供していきます!

2021年5月開催の今回は、『起業のWHY?』と題し、起業家や支援者、起業を考えている方など総勢19名で、起業にまつわるディープなディスカッションを行いました。
場所は起業家達をバックアップしてきた、長野市初のコワーキングスペース(2014年開設)CREEKS COWORKING NAGANO

イベントの様子を全2回でお伝えしています。part1をご覧になられていない方はこちら。

企画・進行


古後理栄 株式会社CREEKS(代表取締役)
工学修士 MBA
2014年に長野市初のコワーキングスペース「CREEKS COWORKING NAGANO」を開設。
長野県信州アクセラレーションプログラム他、起業支援プログラムを多数運営。地元企業の新規事業立ち上げサポートなどに取り組んでいる。自身もこれまでに4法人・団体の立上げ運営に携わり、20以上の新規事業に取り組む。

池上隼人 株式会社CREEKS(事業アドバイザー)
2008年サムライインキュベートの創業メンバーとして参画。以来、新規事業責任者として事業売却、経理、人事業務などのバックオフィス業務を務める。2012年より同社執行役員COO。事業戦略と組織作りに従事。その後、データサイエンス会社の執行役員を経て、現在は複数のスタートアップでアドバイザーとして事業面や組織運営のサポートに取り組む。


――(池上)続きまして、実際、「起業して困っていることは?」というテーマでお話を伺ってみたいと思います。話せる範囲でもしあれば、教えていただけますでしょうか。

人の信じ方がわからない

研究開発系ベンチャー企業 代表取締役 A氏(20代)

起業して困っていることはやっぱり、人の信じ方がわからないことですね。いろいろな方に合う機会は増えましたけど、やっぱりその人をどのくらい信じていいのかっていうのはいまだにわからないです。

――(池上)「人の信じ方がわからない」誰もが悩むお題ですよね。Kさんのお悩みに対して、先輩方のなかで、何か解決できるようなノウハウご存じの方いらっしゃいますか?

精神論でしかない領域だとは思うのですが、人の信じ方を「信用(FAITH)」と「信頼(TRUST)」、二つに分けて考えるのが良いと思います。信じるという意味では双方同じ意味なのですが、「FAITH」は英語だとキリスト教の方が神様を信じるときのような信じかた。「TRUST」は銀行のようにその人に信用に値する価値があるから信じるという信じ方です。誰かを信じる際には、その「「FAITH(信頼)」と「TRUST(信用)」とに分けて考えるんです。

 大概の人はTRUSTベースで付き合う。この人は○○ができるからお金を払って関係が成立すると、そしてどこからかを超えるとFACEじゃないと関係性が保てないところがある。

私の企業では、代表取締役がもう一人いて、そのパートナーはめちゃくちゃ僕と喧嘩をするんですけど、つらくなるような議論を積み重ねた結果、良い着地点(FAITH)に最終的にたどり着けました。

 僕がたとえ死んでも、会社を続けてくれるっていう信頼関係があるんですけど、その「FAITH」にいったと思ったらその人に裏切られてもしょうがないと思うことが良いと思います。でないと、関係性が深くなればなるほど「もしかしたら裏切られてるかも」と疑うシチュエーションが多くなるので、「そこを超えたら裏切られても仕方がない。自分が信じるんだとするしかないんだ。」と思うことが大事だと思います。

ーー(Kさん)
大変ためになる話でした。僕も腑に落ちることがあって、トラストの理由を探してたんですけど、最近はもうフェイスに割り切るようにしてます。なので、それでもし失敗したらみなさん笑ってやってください(笑)

ーー(笑)

――(山口さん)あと、そうはいっても契約書ですね。

――(古後)ああそうそう。ね。まずは契約書ベースですよ!

――(池上)そうですね、契約書は大事です。株主間契約書を結んでおいてください。

――(Kさん)わかりました。ありがとうございます!

―ー(池上)なにかほかに起業して困ったことなどお話しなど、、、景山さんはいかがですか?

僕は起業しようと思ってしたわけではないんですよ。僕は長野に移住してきたときに、就職先を探して、けれども、さすがに60前なので、雇ってくれる企業さんが見当たりませんでした。それなら、長野で生活するんだったら、自分で仕事を作るしかないなと思ったことが理由なんです。 最終的には作った会社を売ろうと思ってます。起業する能力と運営する能力は別だと思っているんです。それはどちらもあるに越したことはないんですけど、私はに運営する能力はないんです。

 そうすると、今の企業をどこかのタイミングで運営できる人にバトンタッチする必要が出るのですが、そのために今何をしておくべきかどうかがわからないことが困っていることですね。僕はそれで得た資金で次のことをやりたい。ずっと事業を立ち上げていたいんです。

――そうですね。これは起業家のテーマというか、やっぱり組織・会社を長く続けていくテーマなのかなと思います。そのあたりで何かお話しできる方いますか?

立ち上げた会社を次の後継者に渡して、その時に資金を得たいというお話を聞いて、景山さんが一番最初にすべきことは、バトンタッチする際の「資金の得方」を明確にしておくことかなと思いました。どの程度のお金でどういうふうに譲るのかっていうのが明確になっていると相手も見つかりやすくなるのかなと思います。

民間ですと長野発のトランビさん、行政ですと長野県事業承継センターに売り手登録しておくと、近隣の町村でそういった事業を探している方や企業が見つかる可能性があるので、そういったデータベースに登録しておくといいかもしれないです。

――(池上)篠原さんが仰ったように、事業が欲しい会社がいらっしゃると思うので、それを見越して事業登録しておくと、面白い事業があれば新規事業の立ち上げに困っている会社が買ったり、という話になっていくと思います。

起業家・創業家同士の輪

今回の第二弾では「起業して困ったこと」をテーマに起業にまつわる悩みごとについてマインド面、スキル面双方の視点から議論が繰り広げられました。他にも「今だから言える起業の○○」など5つのテーマをお題にしてディスカッション。時間が足りない!というほどに真剣に語り合いました。

起業にまつわる悩みや想いを共有することで、背中を押しあえるコミュニティがこの長野市に醸成しつつあることを実感しています。

NAGANOスタートアップカフェ&XENとは

先進的でイノベーティブな街を目指すZIT 構想の推進を目指した、長野市スタートアップ成長支援事業「XEN」。起業・創業を身近に感じてもらうための「場づくり」事業として、定期的にスタートアップカフェを開催しています。

起業家同士のコミュニティをつくり、スタートアップの成長には欠かせない関係者(街の人、金融、大学、行政、支援機関など)もコミュニティに加えて、スタートアップ成長支援に繋がるエコシステムの構築を目的として、全6回(5月、7月、9月、11月、1月、3月)でテーマを変えて開催予定です。

起業家×〇〇のように毎回異なるコミュニティとの掛け合わせが起きるイベントです。

次回のスタートアップカフェは7月19日18:30〜です。
ぜひこの場を体験ください!

主催:長野市 運営:NAGANOスタートアップタウンコンソーシアム