Start up

スタートアップスタディ

2021年09月06日

【イベントレポート】NAGANO STARTUP STUDY Vol.2 他では聞けない現役起業家のここだけの話 ゲスト:株式会社アイデミー 代表取締役執行役員社長CEO 石川 聡彦 氏

■NAGANOスタートアップスタディとは?

社会の変化が激しい今、「起業」という選択肢を持って生きて欲しい。「起業」という手段を持って、社会課題の解決に力を注いで欲しい。そんな思いを学生や若手社会人に伝え、NAGANOから1人でも多くの起業家を生み出すことを目指して企画しています。現役で活躍しているベンチャー起業家をゲストに招き、KDDI株式会社 地方創生推進のトップが「ここでしか聞けない話」を聞き出す、リアル対談会。ゲストの経験や活動に対する質問、自身が抱えている起業への悩み、不安などの相談等もリアルタイムで投げられるのはオンラインならでは、です。

■NAGANOスタートアップスタディ 第2回目のゲスト

株式会社アイデミー代表取締役執行役員社長CEO 石川 聡彦 氏

<プロフィール>

東京大学工学部卒。同大学院中退。在学中、研究・実務でデータ解析に従事した経験を活かし、AIを中心としたDX人材育成サービス「Aidemy」や機械学習モデルの実運用支援サービス「Modeloy」を開発・提供している。

■対談者

KDDI株式会社 経営戦略本部 副本部長 理事 松野 茂樹
(兼 KDDIラーニング(株)代表取締役社長)

<プロフィール>

2003年以来、一貫してM&Aを担当。2010年に経営戦略本部企業戦略部長に就任し、ベンチャー企業への出資やM&Aも担当。大企業によるベンチャーとのオープンイノベーションの先駆けとなるKDDIのベンチャー投資ファンド「KDDI Open Innovation Fund(KOIF)」の立ち上げ企画の他、ソラコム、nanapi、LUXAなど数々のKDDIによるベンチャー企業のM&Aを実施。2019年からはKDDIの地方創生の全社統括も担当

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第二回目のゲスト、石川さんとKDDI 松野による「他では聞けない現役起業家のここだけの話」をテーマにオンライン対談を行いました。

(対談フルバージョンの動画コンテンツは、Facebookグループ「信州起業家情報プラットフォーム」SKIPに登録いただくことで視聴できます。)

―――まず初めに、石川さんよりご自身のこと、アイデミーのことについてお話しいただきました。

■はじめに:ご自身のこと

石川 聡彦(あきひこ)と申します。イニシャルはAI、「AI人材です」と自己紹介しております。特殊な経歴として、小学校5年生頃までの6年間、歌舞伎役者(子役)なんてことをやっていました。梨園出身ではなく一般家系にいながら、歌舞伎座などの舞台に立っておりました。保守的な歌舞伎の世界の対極といいますか、抑圧されていた幼少期の反動といいますか、高校時代から小さいビジネスをしたりしました。

■アイデミーのこと

「アイデミー」は、東大発のベンチャー企業です。私が大学3年生の時に起業した会社です。AI、DXの人材育成サービスを大企業様向けに行っています。もともとは法人向け(BtoB:Business to Business)のサービスではなく、個人向け(BtoC:Business to Consumer)にサービスを始めたのですが、今では法人のお客様が非常に多くなっています。

■DXについて

DXとは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)のことです。デジタル技術を使って、会社の業務を効率化したり新しいサービスを創ることを総称してDXと呼ばれています。私たちのお客様は、いわゆるIT企業ではなく、製造メーカーや素材のメーカー、飲食業界など様々な会社・業界の方がいらっしゃいます。私たちは、DX人材育成、つまりデジタルに詳しい人材がいなければ企業でのDXは進められないので、オンラインで学べるeラーニングサービスを提供することでDXを支援しています。AIやDXに関する教材では、おかげさまで、日本で一番使われているサービスとなっています。アイデミーでは、個人向けのサービスもあります。無料のオンライン教材も提供していますので、アイデミーで検索して試してみてください。

■自分自身のキャリアについて

東大に入ってからビジネスコンテストサークルに所属しました。ビジネスコンテストで優勝して大学3年の時に学生起業しました。初めは、飲食店の予約サービスやポイントカードアプリなど身近なテーマで起業をしていたのですが、“鳴かず飛ばず”でした。休学して事業に集中していたのですが、これではだめだと事業は続けつつ、もう一度大学に戻りました。そこで出会ったのが、AI/機械学習でした。これは面白いと起業のテーマをAIにして、アイデミーという会社に名前を変え、修士1年に今のサービスを始めました。アイデミーを始めてからは、人に恵まれてサービスが成長しました。もともと高校生の頃から、起業してみたいという意識をぼんやりと持っていました。自分で使えるお小遣いを増やしたくて、流行っていたゲームをオークションで売ったりしながら少しずつお金を稼ぐことをしたのが小さなビジネス体験でした。こうしたことがビジネスの原体験のひとつになり、大学に入ってからすぐに、ビジネスコンテストやビジネスに触れることになりました。

■”失敗”の捉え方について

「大学生で起業するのはリスクが大きくないですか」「親に反対されたのではないですか」「失敗って怖くなかったですか」といったことをよく聞かれます。起業について「失敗したらヤバいのではないか」と思っている人もいらっしゃると思います。私も失敗は怖かったのですが、失敗ってなんだろうと考えた時に、3つのパターンがあると考えました。

一つ目は、「取り返しがつかない失敗」です。例えば、家族や友だちを路頭に迷わせてしまうとか、借金を残してしまうとか、犯罪行為や他人に大きな迷惑をかけてしまうなどです。

二つ目は、「取り返しがつく失敗」です。例えば、貯金がなくなってしまったとか、友だちと海外旅行に行けなくなったとか、卒業が一年遅れるとか、親に怒られるとかです。

三つ目は、「何もしなかった失敗」です。起業に挑戦しようと思っていたけれど、何もしないうちに歳を重ねている、などです。

失敗に3つの種類があると考えた中で、自分がこの失敗は嫌だなと思ったのは、「取り返しがつかない失敗」と「(したいことがあったのに)何もしなかった失敗」です。「取り返しがつく失敗」は自分の糧になる経験だと思い、“エジソンよりも失敗しよう”をキーワードにして、学生時代から起業しようと取り組みました。何かあったとしてもそれは「取り返しがつく失敗」になると思いましたし、最悪、就職すればいいと考えていました。

■創業当初の話

アイデミーを立ち上げた当初はボロボロでした。3年間うまくいかなかったときに自分の気持ちをギアチェンジし、襟を正して臨むことにしました。自分がやりたいことではなく、投資家が「今、これが来ているよ」と言っているものを選ぶなど、自分のマインドをチェンジしたことでうまくいくようになっていきました。「アクションする、実行する」というのがキーワードになりますが、みなさんも起業しようと考えたときに、事業計画を作ったりすると思います。では、アイデミーの最初の事業計画ってどういうものだったかご紹介します。

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スタートは、50行くらいの事業計画書だったんですね。50行くらいで自分のアイデア(強みや問題点、解決策、ターゲットなど)を整理して、整合性がとれていればスタートしていいんじゃないかと思います。実際に今(4年後に)、この事業計画書を振り返ってみると、概ね計画通りでした。起業において重要なことは、計画書を練りこんでいくことよりも、まずアクションしてお客様の反応・フィードバックを真摯に受け止めて改善していくことなのではないかと思います。

■創業時のキーポイント(まとめ)

創業時のキーポイントをまとめます。

1)market First:スケールするサービスを作りたいなら、ブームを捉えている市場を選ぼう。自分のやりたいことをやると、ブームをとらえていないこともある。

2)Founder Market Fit:BtoC向きのサービスが得意な起業家、BtoB向きのサービスが得意な起業家など様々なタイプがある。自分に向いているサービス志向(BtoBかBtoCか)があるので俯瞰でとらえてみよう。

3)Act BeforeThinking:迷うよりも実行する。行動量が成果に直結する。アドバイスを愚直に実行することが重要だ。

―――石川さんからアイデミーの事業や失敗の捉え方のお話をいただいてから、参加者からのたくさんの質問に答えていただきました(以下、敬称略)。

Q)若いころはBtoCサービスしか体験できないことから、起業のときにはBtoCの発想しか出てこないと思います。でもビジネス分野としては、BtoBは企業相手のためビジネスとしては大きくなりやすいです。石川さんは、当初、BtoCビジネスだったとのことですが、BtoBにシフトした方がいいと考えたのは、どんなきっかけだったのでしょうか。

石川)2点あります。1点目は、自分自身がビジネスを行う中でBtoBの方がお客さんに喜んでもらえたことです。起業当初はBtoCという個人向けのビジネスをやっていましたが、その事業がうまくいかなくなったときに、企業の方からデータ分析やアプリ制作を受託したりしました。独自プロダクトではなく受託ビジネスとしてBtoBに触れたのですが、そちらの方がお客様にとても喜んでもらえたのです。そこで、BtoCで頑張るよりも法人(BtoB)の課題を解決してスケールするタネを見つけた方がいいのではないかと思いました。

2点目は、アイデミーをローンチした後に気づいたのですが、ユーザは8~9割学生と思っていました。でもアンケートをとってみたところ、お客様のほとんどが社会人で、しかもIT企業ではなく、これまでターゲットになると思っていなかった会社の研究者の方にたくさん使っていただいていたのです。こうした結果を見て、自分のサービスは、BtoCではなくBtoBだと気づきました。この2点がきっかけです。

松野)現在、企業や自治体などでは、”DX”を進めることを掲げています。就職や起業など、いろいろ選択肢はありますが、AIとはどういうものか、DXとは何か、ということを勉強しておいて損はしないです。この数年は貴重な人材として重宝されるでしょう。5年くらいすると、” 読み書きそろばん”と同じくらいAIやデータ分析が当たり前になってくるでしょう。ですので、是非アイデミーを検索して、無料コンテンツをやってみることをお勧めします。

Q)高校生が起業することは可能でしょうか。

石川)可能です。まずビジネスを作るという観点と、起業する観点は分けて考えられます。起業という形をとらずに、早くビジネスを始めてみることをお勧めします。理由は、起業するとお金がかかります(登記にかかる費用や税金など)。でも、起業という形をとらなくてもビジネスはできます。IT系のサービスであれば、プロトタイプ(試作品)を作ってサーバに置くのはほとんどお金をかけずにできてしまいます。どういったことをやりたいのかによりますが、IT分野であれば初期投資はいらないので、起業という形をとるかどうかは別として、自分の作りたい製品やサービス(在庫を持たないようなサービス)をやってみることをお勧めします。

Q)過去の失敗経験から、今のビジネスに活かされていることはありますか

石川)たくさんあります。スキル面よりマインド面がほとんどですね。マーケット(市場)で注目されている分野でビジネスしないといつまでたっても伸びない、ということを実感しました。起業は釣りに例えられることが多いのですが、大物を釣ろうと思ったとき、身近な池に行っても釣れないでしょう。大海で潮の流れがあるところなど、魚がたくさんいるスポットで釣り糸を垂らした方が大物は釣れる可能性が断然高いですよね。起業もそれと同じように、どこにお客様がいるのか見つけるステップは必要で、そうした知識がなかったことに気づきました。では、どうやってそのスポットを見つけるのかというと、私は、投資家やベンチャーの目利きをしている人に聞くことが早いと思いました。起業当初は、「自分で作りたいものを作って世界を変えるんだ!」と聞く耳を持っていなかったのですが、市場の選択が大切なことを失敗して学びました。

松野)ベンチャー企業は将来、大きくなることを前提として投資家など支援してくれたり、社員が集まってくれます。未来感があると、みんなが集まってくるし、支援してくれます。これから世の中がどう変わっていくのか、その変化の流れがどうなっていくのか、人々の生活や仕事のやり方がどう変わっていくのかを、常にアンテナを高くして、いろいろな情報を集めて進めていくことが大切と思います。

Q)テクノロジーで解決する時代、いろいろなことを実現しようと思ったときに、エンジニアがいた方がいいと思います。エンジニアの仲間に参加してもらうにはどうしたらいいでしょうか

石川)エンジニアがいた方がいいのは間違いないです。そして自分がエンジニアになる方法をまず考えないとならないと思います。これは文系理系は関係ないです。今ではプログラミングを学ぶ方法はハードルが低く、簡単に学ぶことができます。学生エンジニアで既にコードを書ける人もいるかもしれませんが、素人でも2~3か月も学べばそのくらいのレベルはすぐにたどり着くでしょう。プログラムを書くITサービスを考えているのであれば、仲間集めに時間かけるよりも、その時間とやる気を使って自分でプログラムを書けるようになることに振り切った方がいいと思います。

松野)起業家にも、文系出身だけどもある段階でプログラミングを勉強して、エンジニアができることを身に着けている人は多いですね。エンジニアがどういったことをするのか、またエンジニアが言っていることが理解できる方が、いろいろなビジネスをやるときに力になります。プログラミングは起業家として勉強しておくべきスキルですね。

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Q)エンジニアがいないのですが、企画を企業に持ち込んで課題を解決することはありですか

石川)ケースバイケースですが、質問者が学生の場合は、企業にアイデアを持ち込んでも相手にされない場合が多いです。起業においてアイデアにはあまり価値はない、というのは有名な話です。そのアイデアと同じことを考えている人は日本の中でも100人くらいはいます。結局、起業の成功・不成功を決めるのは、” やるか・やらないか”です。やる!ということが大事なのです。もしアイデアを企業に持ちこむとしても、プロトタイプでも小さくやってみて、ユーザがついて、もっと拡大したいというストーリーとともに持っていかないと、鼻であしらわれるか、就職採用プロセスに組み込まれるだけでしょう。自分のアイデアを実現したいのであれば、企業の力を借りずに自分でできる方法を考えた方が近道と思います。

Q)早い段階から、お金を出してくれる方々(エンジェルファンド)との出会いがあったとのことですが、そのあたりの話しを教えてください

石川)アイデミーに出資してもらっている方々(応援団と呼んでいます)がいらっしゃいます。創業期、アイデミーが始まる前から応援してくれている方との出会いは、学生時代に受けていた今回の講演会のようなイベントでした。たまたま投資家に高校の先輩がいらっしゃって、ご縁もあるということから出資をお受けしようとノリで決めたところがあります。「起業に人脈は大事だよね」とか「投資家とアクセスすることができるのは大事ですね」と思われるかもしれませんが、大事なことは、むしろイベントなどの会でベンチャーキャピタルの方とお会いする機会を得たら、本当に連絡してみるといったことが重要です。人脈は新しく作るというよりも過去に出会った人を大切にする方が大事ではないかと考えています。

松野)この講演会を視聴してくださっている方は長野県の方が多いですが、長野県は東京と比べて、どうしても投資家や起業家と触れ合う機会が少ないと思います。一方で、最近ではこの講演会のように、オンラインでいろいろなイベントが行われています。過去の講演会(STARTUP STUDY)に登壇してもらっている起業家には、「信州起業家情報プラットフォーム(SKIP)」というFacebookグループに参加していただいていますのでそのグ

ループに参加いただければ、起業家に質問することもできます。もちろん連絡をする際には丁寧にする必要はありますが、真剣に考えていることを話してアドバイスをもとめたら、かなりの確率で答えてくれるでしょう。起業家は、自分が受けた恩恵は別の人に返していこうという想いが強いんです。自分自身が苦労していたときに、見返り無しに助けてくれた方がいたから、その恩を若い世代に返していこうという考え方があります。ネット環境があればどこでも繋がれる時代です。長野の方々も積極的にFacebookグループに参加して人脈を作って売り込んでほしいです。人脈は一期一会ですが、それを大切にして発展させる人に道は広がっていくと思います。

(Facebookグループ「信州起業家情報プラットフォーム」SKIPのご登録はこちらから。)

Q)大学で取得しておいた方がいい資格はありますか。英語はどのくらいできるといいでしょうか

石川)資格はいらないし、英語はできるに越したことはないですが、できなくてもビジネスはできます。モノづくり全般に言えますが、やってみて、わからないことや壁にぶち当たったときにその分野の知識を補完する、という考え方がいいでしょう。ありとあらゆる分野を網羅しようとすると、勉強するだけで終わってしまうでしょう。特定のテーマを極めようとすると、必要な学びのネタが自然に出てきます。それが見つかってから学べばいいのではないでしょうか。資格も英語も同じ考え方で、自分がビジネスをやり始めて、やらなければヤバイとなってから取り組めばいいのではないでしょうか。考え方を逆転させた方がいいと思います。

松野)資格は誰かにスキルを証明するためのものと思います。就職のときには資格があった方がいいかもしれませんが。それよりも、「こういうことをやりました」、「これだけお客様がついています」という方が価値があると思います。英語については、ビジネスとして外国市場を狙っていきたいのであれば勉強した方がいいです。でも受験英語は意味がありません。それならYouTubeでTEDなどから学んだ方がいいです。YouTubeでは、シリコンバレーのベンチャーキャピタリストが講演している動画などもあり、そういった方のスピーチを観た方がやりたいことの関係の英語が身につきますし、学び甲斐があります。

Q)起業は副業感覚でできるものでしょうか

石川)できると思います。学生起業家は、学生と起業家の二足の草鞋を履いている存在だと思います。私も起業した時に、きっぱり就職活動をしない選択をしたわけではありません。最後まで、就職活動して新卒入社という選択肢も残し続けていました。多くの方は「自分の会社に集中して100%でやらないと成功しないぞ」とおっしゃると思います。ただし、それであきらめてしまうくらいなら、私は二足の草鞋だとしても、最初のプロトタイプを作る期間は特に副業でもいいのでやってみた方がいいと思います。例えば自分で会社を興したとしても、飯のタネが必要なので初めは受託などをしながら新規サービスを作ることが多いです。そうすると新規サービスに充てられる時間は20~30%くらいで、残りのほとんどの時間は足元の売り上げを作るために費やすことになります。そうだとすると、副業として起業するのと使う時間はあまり変わらないわけです。ですので、まずは副業で挑戦されることに大賛成です。

松野)職場がどれだけ許すのか、という問題もありますね。ビジネスアイデアを検証する段階では、プロトタイプを作って上手くいくかを試すことは副業としてやった方が安心して取り組めるかもしれません。週末だけ、夜だけ集まって起業して大きくなったベンチャー企業もあります。全部の時間をそこにかけなければダメだ、ということでもないと思います。

Q)”これだけはやるな”ということは、借金の他に何かありますか

石川)「取り返しのつかない失敗をするな」ということになりますね。借金がその「取り返しがつかない失敗」に値するかどうかは人それぞれですが、私は借金は嫌だったので避けました。それ以外では、「信頼を毀損することはやるな」ということでしょうか。お金をいただいているお客様に価値以上のものをお届けする意識を常に持ち続けること、真摯であること、だと思います。スタートアップは村社会です。投資家との信頼関係を崩してしまうと、しばらく消えないです。信頼を毀損しないことは心掛けています。

■最後に

講演では、このレポートで紹介した内容以外にも視聴者からのたくさんの質問に答えていただきました。是非、動画アーカイブをご視聴ください。

過去の起業家講演会(STARTUP STUDY)のアーカイブ動画も公開しています。

■次回のSTARTUP STUDYの予定

開催日時:9月15日 18:50〜20:50
講演者:株式会社ココペリ 代表取締役CEO 近藤 繁氏