2022年03月23日
DAY7
2022 年3月13日、昨年9月にスタートした「長野をつなげる30人」もいよいよ最終日を迎えました。長野市内の会場に関係者が集まり、最終報告会を行います。
年代や業種を超えたメンバーによる5つのチームがこの半年間に取り組んだ事業について発表します。
その発表に対して、長野のまちづくりに関わるゲストからフィードバックをもらいます。ゲストは、長野県立大学理事長・安藤さん、株式会社信州スポーツスピリット代表・片貝さん、株式会社R-DEPOT代表・倉石さん、鈴木土地株式会社代表・鈴木さんの4名です。
日常の暮らしの魅力を伝えるマップづくり
最初の発表は、チーム「トポフィリア」。善光寺周辺のお店などを紹介するマップ製作を企画しています。善光寺周辺のまちに詳しい人にとっておきの場所を聞き、その人のプロフィールと共にマップで紹介します。今後はマップの製作を進め、市内の協力店舗などで配布する予定です。
ゲストの鈴木さんからも「地元の人でも知らない店もありそうで面白い」と期待が寄せられました。
誰でも参加しやすいアートとは?
次の発表は、「長野でアートフェスをやりたい」という思いをもつ6人が集まった「ろっかっけい」チームです。一般の人には敷居が高いイメージのあるアートを誰でも参加しやすいものにしたいという思いから、議論を重ねてきました。
プロトタイプでは、絵本を作るワークショップをオンラインで開催。「100年後に見たい長野」をテーマに絵を募集し、絵を並び替えてストーリーを作り、完成した絵本を冊子として印刷しました。
今後は、長野市内の会場で100年後も残したい風景を絵にして展示するワークショップを行い、環境問題について考えるきっかけを作りたいと考えているそうです。
ゲストの倉石さんからは「環境問題などは目に見えず捉えにくいが、アートはそれを伝える手段になり得る」と背中を押していただくようなコメントをいただきました。
若者がまちの主人公になるには?
次の「勇者ながひこ」チームは、若者がチャレンジできる場づくりをテーマに取り組んできました。若者が地域の大人と交流できる機会や、若者がまちで活躍できるような環境づくりを目指しています。
プロトタイプでは、NHKとNPO「ユースリーチ」が協働して、若者向けのイベントを開催。SDGsに関わる活動に取り組んでいる学生たちが、ラジオキャスターから効果的な発表の仕方を学びながら、これまでの活動内容を発表しました。
さらに今後は、起業したいと思っている若者の背中を押すようなプログラムを企画しています。起業について実践的に学ぶ講座を長野高等専門学校の学生を対象に開催することから始めていく予定です。
市民が集う市場をつくる
「育てる市場部」チームは、お客さんも出店者も楽しめるような市場を開きたいと議論をしてきました。様々な関係者に話を聞くうちに市場を開催するには場所や設備、資金の確保などが課題になることがわかり、誰でも気軽に市場を開ける環境・プラットフォーム作りを目指したいと考えたそうです。
チームメンバーの一人が長野電鉄で働いていることから、鉄道会社とコラボレーションして駅舎などを活用した仕組みができないかと考え、検討を進めています。
ゲストの片貝さんからは「コスト面をしっかり構築していくと継続性が生まれやすい」とアドバイスをいただきました。
これからの長野の未来を語り続ける
最後の発表は、自治体のロゴやキャッチコピーをテーマにした「円からQへ」チームです。皆が納得できる自治体のロゴやキャッチコピーを考えたいと議論を重ねる中で、市民全員の合意を得ることの難しさにも気づきました。そこで、まずは議論するために必要な問いをみんなで設定することから始めたいと考えたそうです。
今後は、よい問いを立てるためのワークショップやカンファレンスを開催。結論が出なくても、長野の未来を対話し続けられるような拠点を作ることを目指しています。
ゴールではなく、スタートの場
最後に、ゲストを代表して長野県立大学理事長の安藤さんからコメントをいただきました。「地域の課題を解決するには、長期的な地域の変化を促すスローイノベーションの手法は優れていると感じる」と話す安藤さん。「それぞれのチームの発表は長野らしいイノベーションを期待できる内容だった。様々な魅力を発信して、長野が未来を語る若者を引きつけるまちになってほしい」と参加者たちにエールを送りました。
半年間を駆け抜けた「長野をつなげる30人」の第1期プログラムは、今日でひと区切りです。しかし、どのチームも今後のアクションを宣言し、新しい取り組みがここから動き出すことになります。この半年間で生まれた関係性がどのように地域を変えていくのか、今後が楽しみになるようなスタートの場になりました。