Innovation

イノベーション創出支援事業

2022年03月16日

DAY1

2021年9月15日、「長野をつなげる30人」第1期がスタートしました。
「つなげる30人」は、地域内の企業・行政・NPOからセクターを越えた30人が集まり、地域の未来を考えるプロジェクト
2016年に渋谷から始まり、京都や名古屋など全国各地に広がった「つなげる30人」ですが、長野では今回が初めての開催です。
これから半年間、30人の参加者たちが長野で取り組みたいテーマを持ち寄り、考えたことを形にしていきます。

キックオフとなる今回は、新型コロナウィルス流行の影響でオンラインでの開催。
金融、食品メーカー、WEB制作、建築、県庁、市役所、NPO、大学生など、年齢やバックグラウンドの異なる30人が、オンライン上で集まりました。
参加者同士はほとんど初対面とあって、少し緊張した面持ち。ここから、どんなプログラムが始まるのでしょうか。

今回のファシリテーターは、株式会社SlowInnovationの加生健太郎さん。

まずは加生さんから、プログラムの説明がありました。

「つなげる」ための3つのステップ

「つなげる30人」は、「発想・企画・実装」という3つのステップで進むプログラム。
半年間、全7回のワークショップを通して、チームで事業を構想したり、プロトタイピングしながら、アイデアを豊かに広げていきます。

DAY1は、お互いのことを知ることを目的にしています。
これから参加者たちは様々なワークショップを体験しながら、自分たちが人と人をつなげる側になるために、ファシリテーションの手法も学んでいきます。

なぜクロスセクターのコミュニティが必要か

このプログラムのポイントは、「企業」「行政」「市民・NPO」というセクターが異なる30人が集まっていることです。

社会をよりよくするソーシャルビジネスには、この3つのセクターの協働が欠かせません。

どうしてセクターを越えた協働が難しいのでしょうか?それは、それぞれのセクターは、それぞれ根底にもつ価値観が違うからだといいます。

利益を追求する「企業」
公正公平を重んじる「行政」
課題解決を最優先にする「NPO」

それぞれの根底にある価値観の違いを理解しないまま、協働が進まないケースが多くみられます。
だからこそ、つなげる30人では、まずは信頼関係を築き、お互いの違いを理解し、セクターの垣根を越えて協働するための土壌をつくることを大切にしています。

社会へのより大きなインパクトを

そして、いよいよ自己紹介がスタート。多様なバックグラウンドの参加者がいることを実感します。

<今回の参加者たちの所属>

八十二銀行、NHK、長野電鉄、シソーラス、竹村製作所、高見澤、サンクゼール、JBN、八幡屋磯五郎、日本ユニシス、BAZUKURI、greenstyleforest、tobearchitect、まちづくり長野、長野県NPOセンター、長野県庁、長野市役所、長野高専、長野県立大学、信州大学

参加者からは「会社の理解を得て、この場に参加できたことが嬉しい」という声も。

それぞれの人たちが所属する組織の看板を背負って参加していることも、このプログラムの特徴かもしれません。
他のまちづくりのプロジェクトでは、就業時間以外に個人で活動するケースもあります。その場合、副業禁止など制約が増え、社会へのインパクトが小さくなってしまうことも……。
一方、今回のように会社の承認を得て参加することで、個人で活動するよりも大きな社会的なインパクトを生む可能性をもっているのです。

ファシリテーションの手法を体験

自己紹介を終え、30人の多様なバックグラウンドが見えてきたところで、「フィッシュボール」「ワールドカフェ」という2つのファシリテーションの手法を体験します。
これから人と人をつなげる役割が期待されている30人の参加者たち。プログラムでの体験を通して、ファシリテーションもスキルを学んでいきます。
まずは、フィッシュボールという手法を試します。みんなの自己紹介を聞いて、話したくなった人から画面をオンにして、4人ずつ対話していきます。

趣味から仕事まで次々に話題が展開し、「もっと詳しく聞きたい」「一緒にこんなこともできそう」と、参加者の熱量が高まっていくのが感じられました。

30人から広がる長野の可能性

まだまだ話し足りない雰囲気のまま、次のワールドカフェへ。
ここでは、まず4〜5人のグループにわかれ、対話をします。「フィッシュボールで様々な話を聞いた感想」「長野をつなげる30人でチャレンジしたいこと」をテーマに、15分ずつ話しました。参加者の皆さんも緊張感が和らいできたようです。

そして、最後の対話のテーマは「長野をつなげる30人のメンバーで連携すれば広がると感じる自分や長野の未来の可能性は?」。
ここで、参加者の皆さんたちからは、アイデアの種が次々と生まれていました。
「地域に関わりたい人をつなげるプラットフォームを作りたい」
「消えてゆく昔ながらの町の風景にスポットを当てた芸術祭を開催しては?」
「自然豊かな長野ならではの取り組みとして、間伐材を有効活用できないか」
「女性が働きやすいまちづくりを考えたい」
「廃業してしまったスキー場をなんとかしたい」
「若者が地域に残りたくなるように、若者が住みやすいまちづくりをしたい」

DAY1では、対話の中から、それぞれが課題だと感じていることやチャレンジしたいことの輪郭が少しずつ見えてきました。
次回は、それぞれが取り組みたいプロジェクトを持ち寄り、さらにお互いのことを知り合うプロセスに進みます。
これから、30人にどんな化学変化が生まれていくのでしょうか。今後の展開が楽しみです。